日本医科大学脳神経外科教授
1957年埼玉県生まれ。82年東大卒。米国メイヨークリニック・チーフレジデント、ジョージ・ワシントン大脳神経外科講師、東大助教授、NTT東日本関東病院脳神経センター長等を経て、2013年より現職。
未破裂脳動脈瘤の治療基準を確立すべく、日本脳神経外科学会の未破裂脳動脈瘤悉皆調査(UCAS-Japan)事務局長として前向き観察研究を実施してきた。
<日本人の未破裂脳動脈瘤の年間破裂率は0.95%、7mm以上は破裂のリスクが高い>
全国305施設で5720例(6697動脈瘤)を追跡調査した結果を2012年にニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表し、世界的にも注目を集めた。その成果は、今年改訂される日本脳ドック学会の『脳ドックのガイドライン』や日本脳卒中学会の『脳卒中治療ガイドライン』に反映される。
「かつてメイヨークリニックで一緒に手術をしていた仲間が1998年に国際未破裂脳動脈瘤調査(ISUIA)の結果を発表したのですが、日本では考えられないほど年間破裂率が低く手術合併症率が高かった。でも、いくら日本では違うと言ってもデータがなければ説得力がありません。データを集め日本発のエビデンスを発信するのが、米国から帰国した僕の使命だと考えました。主要施設の協力が得られたのは、多くの脳外科医がこのデータの重要性を実感していたからではないでしょうか」
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