東京・南麻布の瀟洒なビルの1階にクリニックはある。診療コンセプトは4つの“クロス”。様々な診療科のドクター、国と国、西洋医学と東洋医学、そして、患者との心の通い合い─。堂園さんが、そんな“医療の交差点”を目指して開業したのは30年前。夫や子ども、両親らに付き添う女性たちを見て、「医療の世帯主は女性。女性を座標軸にした医療をしよう」と考えた。「美容やブランド物に使うお金を自分の健康のために使ってほしい」との想いから、当時まだ珍しかった自由診療に。銀行に融資を断られるなど苦労はあったが、コンセプトは曲げなかった。
「3分診療ではわからない。じっくりお話しするうちに、お困りのこと、本当に求めていることがわかるんです」。一人一人に誠実に向き合う姿勢が信頼を得て、患者は口コミで増えていった。中には配偶者や子ども、ペットと来院したり、親子三代で受診する患者も。土日もFAXや電話の留守録を確認し迅速にコールバックするなど、一度診た患者には診療時間外も可能な限り対応している。
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