岸田文雄首相は10月15日、首相官邸で開かれた新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で、次の感染拡大に向けた新型コロナ対策の全体像の「骨格」を示し、11月早期の全体像の取りまとめを関係閣僚に指示した。
岸田首相は、ウイルスの感染力が今夏の2倍程度になった場合にも対応可能な医療提供体制などの各種対策を全体像に盛り込む方針。
この日示した「骨格」では、入院患者の受入体制を2割増強するため、①都道府県ごとの「保健・医療提供体制確保計画」の策定、②病床の確実な稼働(「幽霊病床」の実態把握、コロナ用病床利用率8割以上確保)、③国立病院機構・JCHOなどの公的病院の専用病床化、大学病院や共済病院への要請、④臨時医療施設・入院待機施設の確保、⑤医療人材の確保、⑥ITを活用した稼働状況の「見える化」─などの具体的内容、さらに感染力が3倍になった場合など緊急時の国の権限発動(一般医療の制限、緊急的な病床等の確保)の具体的内容を全体像で明らかにするとしている。
対策の全体像では、年内にワクチンの追加接種を開始するための体制・スケジュール、経口治療薬の年内実用化、国産経口薬の開発支援などワクチン促進・治療薬確保の取り組みや、ワクチン検査パッケージなどを活用した行動制限緩和の具体的内容も示される。
15日の会合で岸田首相は「10月中に都道府県との調整を行った上で、11月早期に対策の全体像を取りまとめる。今後の感染拡大の可能性に備えて、最悪の事態を想定した危機管理を行い、対策に万全を期していく」と述べた。
※訂正:見出しの「2倍増強」を「2割増強」に修正しました(編集部)