【質問者】
岸本暢將 杏林大学医学部腎臓・リウマチ膠原病内科 准教授
【axSpAは,mNY基準のX線基準を満たすax SpA=ASと,ASの早期/軽症型/非典型タイプと考えられるX線基準を満たさないaxSpAにより構成される】
脊椎関節炎(spondyloarthritis:SpA)といわれるグループに含まれる疾患として,AS,乾癬性関節炎,反応性関節炎,炎症性腸疾患関連脊椎関節炎,分類不能脊椎関節炎などがあります。近年,各疾患を個々の疾患としてではなく,SpAとして分類し,早期に治療介入する必要性が論じられてきました。国際脊椎関節炎評価学会(Assessment of Spondyloarthritis International Society:ASAS)は,2009年に仙腸関節や脊椎など体軸関節を優位とした慢性炎症とそれに引き続く不可逆的な骨増殖をきたすaxSpAの分類基準を,また2011年に末梢関節の症状・所見を優位とする末梢性脊椎関節炎(peripheral SpA:pSpA)の分類基準を作成し,その臨床症状・所見の優位性からSpAを大きく2つに分類することが示されました。axSpAには,主に(改訂ニューヨーク基準の)X線基準を満たすaxSpA(radiographic axSpA:r-axSpA)=ASと,ASの早期または軽症型または非典型タイプと考えられているX線基準を満たさないaxSpA(nr-axSpA)が包含されました。一方,pSpAには,乾癬性関節炎,反応性関節炎,分類不能末梢性脊椎関節炎などが代表的な疾患として包含されています。以上のように,主としてr-axSpA=ASとnr-axSpAがaxSpAに分類されます。
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