【質問者】
園本格士朗 産業医科大学産業保健学部成人・老年看護学講座教授/ 産業医科大学医学部第1内科学講座
【超音波・MRIは炎症評価時に適宜,単純X線は治療効果判定で6~12カ月ごとの反復評価を推奨する】
RAの画像検査には,単純X線,超音波(エコー),核磁気共鳴(MRI)の3つがよく用いられます。
単純X線では,活動性滑膜炎による骨・関節破壊の結果として,骨びらんと関節裂隙狭小化に代表されるRAに特徴的な所見が出現します。ミクロレベルでの破壊は発症直後より持続しますが,これらがX線画像上で確認できる規模になるのはRA発症後の数カ月〜数年後です。関節破壊は発症初期2年以内に急速に進行することが知られています。
RAでは,関節破壊は疾患活動性・身体機能とともに重要アウトカムのひとつとして認識されています。治験・臨床研究では単純X線を用いた関節破壊スコアとしてvan der Heijdeの修正シャープスコアが標準化されています。この評価法では,治療開始時と比べて,治療開始後6カ月,1年,2年といった一定の期間に関節破壊スコアがどのくらい進行したかを実薬群と対照群とで比較する,といった手法が取られます。実診療においても,6~12カ月ごとの両手・両足単純X線評価の比較読影による経時的追跡が推奨されています。
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