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間質性肺疾患合併進行期非小細胞肺癌における免疫チェックポイント阻害薬の投与について

No.5119 (2022年06月04日発行) P.51

加藤元康 (順天堂大学大学院医学研究科呼吸器内科学)

池田 慧 (神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科 医長)

登録日: 2022-06-06

最終更新日: 2022-05-31

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  • 間質性肺疾患合併進行期非小細胞肺癌における免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor:ICI)の投与についてご教示下さい。
    神奈川県立循環器呼吸器病センター・池田 慧先生にご解説をお願い致します。

    【質問者】

    加藤元康 順天堂大学大学院医学研究科呼吸器内科学


    【回答】

     【長期生存をもたらしうるが,肺臓炎リスクが高く患者選択が重要】

    非小細胞肺癌(non-small cell lung cancer:NSCLC)に間質性肺炎(interstitial pneumonia:IP)を合併していると,ICIによる肺臓炎発症のリスクが高まることが,複数の研究から示唆されています1)2)。IP合併例に対する使用について,ICIの添付文書には「慎重投与」,厚生労働省の最適使用推進ガイドラインには「他の治療選択肢がない場合に限り,慎重に本剤を使用することを考慮できる」と記載されています。

    しかし,IPを合併した進行期NSCLCに対する薬物療法としては,プラチナダブレットによる一次治療こそ確立されてきたものの,二次治療以降は標準治療が存在せず,かつ細胞傷害性抗癌剤による治療では1年生存割合が10~15%と長期生存は期待できません。ICIは予後不良なIP合併NSCLCに長期生存をもたらしうる唯一無二の治療選択肢であり,ICIによる肺臓炎のリスクが低いIPの絞り込みが重要な臨床的課題です。

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