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【LGBTQの人々と医療】医療機関でできること─誰もがいられる場所であるために[プライマリ・ケアの理論と実践(150)]

No.5126 (2022年07月23日発行) P.14

山下洋充 (一般社団法人にじいろドクターズ理事)

登録日: 2022-07-21

最終更新日: 2022-07-20

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SUMMARY
医療機関がプライマリ・ケアを提供するためには,LGBTQの人も含めたすべての人が受診しやすいように配慮することが不可欠である。今回はLGBTQの観点から,医療機関の構造や指針に関して見直し,具体的に実践できることを提案する。

KEYWORD
レインボー・カラー
レインボーをイメージするときに,日本では7色で表されることが多いが,これは世界的に見ると一般的ではない。特にLGBTQ(性の多様性)のシンボルとしてのレインボー・カラーは6色で表されている。

山下洋充(一般社団法人にじいろドクターズ理事)

PROFILE
広島大学卒業後, 亀田ファミリークリニック館山で家庭医療研修を修了。現在は河北ファミリークリニック南阿佐谷に勤務。一般社団法人にじいろドクターズ理事,NPO法人女性医療ネットワーク理事。

POLICY・座右の銘
悠々として急げ

1 健康格差や生きづらさを助長しないために,LGBTQに配慮する

LGBTQ(レズビアン,ゲイ,バイセクシュアル,トランスジェンダー,クエスチョニングまたはクイア)の当事者たちは,偏見や法律の問題,就職差別といった諸問題のために,貧困に陥りやすくなったり,物質依存や不安障害,うつ病といった健康問題を抱えやすい。言い換えれば,LGBTQであることが健康の社会的決定要因のひとつとさえ言える現状がある。

さらに悪いことには,医療機関もこの健康格差に加担してしまっている可能性がある。実際に,当事者へのアンケート調査によると「医療機関で嫌な経験をしたことがある」「安心して受診できる医療機関が地域になく,受診をためらってしまう」という実態があることが判明している1)

医療機関がプライマリ・ケアを提供するためには,「その医療機関が誰もが受診しやすい場所であること」が前提となることは論を俟たない。今回はLGBTQの観点から,医療機関をよりよい場所にするために取り組めることをまとめる。







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