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全身性強皮症に伴う間質性肺疾患におけるニンテダニブの適正使用について

No.5134 (2022年09月17日発行) P.50

渡部 龍 (大阪公立大学大学院医学研究科膠原病内科学講師)

小谷卓矢 (大阪医科薬科大学内科学Ⅳ リウマチ膠原病内科講師)

登録日: 2022-09-14

最終更新日: 2022-09-13

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  • 全身性強皮症(systemic sclerosis:SSc)に伴う間質性肺疾患(interstitial lung disease:ILD)におけるニンテダニブの適正使用についてご教示下さい。大阪医科薬科大学・小谷卓矢先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    渡部 龍 大阪公立大学大学院医学研究科膠原病内科学 講師


    【回答】

     【全身性強皮症に伴う間質性肺疾患の線維化進展抑制にニンテダニブが有用である】

    SScに合併するILD(SSc-ILD)は,生命予後に関連する重要な臓器病変のひとつです。従来は,SSc-ILDの治療では肺炎症抑制目的でステロイドに加えシクロホスファミド,ミコフェノール酸モフェチル(MMF),アザチオプリンなどの免疫抑制薬が用いられてきました。近年,肺の線維化に関与する血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR),血小板由来増殖因子受容体(PDGFR),線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)を標的とした低分子チロシンキナーゼ阻害薬であるニンテダニブが,SSc-ILD(SENSCIS試験)1)や進行性の線維化を伴うILD(PF-ILD:INBUILD試験)2)の進行を抑制することが報告され,わが国では2019年12月以降使用できるようになりました。

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