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ラクトフェリンが有効であると考えられる妊婦とその具体的な投与方法は?

No.5155 (2023年02月11日発行) P.57

米田 哲 (富山大学産科婦人科准教授)

大槻克文 (昭和大学江東豊洲病院周産期センター センター長)

登録日: 2023-02-09

最終更新日: 2023-02-07

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  • ラクトフェリン(lactoferrin:LF)が有効であると考えられる妊婦とその具体的な投与方法についてご教示下さい。
    昭和大学江東豊洲病院・大槻克文先生にご解説をお願いします。

    【質問者】米田 哲 富山大学産科婦人科准教授


    【回答】

    【ラクトフェリンは初乳中に多量に含まれる糖蛋白であり,ヒトに対しては健康食品のひとつとして位置づけられている】

    これまで世界各国での研究により,LFの様々な生理機能が明らかにされており,生体防御に重要な役割を果たす物質として注目されています。LFは多くの哺乳動物の乳に多量に含まれる糖蛋白で,ヒトの母乳,特に出産後数日の間に多く分泌される初乳に最も多く含まれており,乳児,特に新生児の健康維持のために必要な成分であると考えられています。

    また,LFは殺菌される前の牛乳(以下,生乳)の中にも存在しています。生乳も牛の赤ちゃんを育てるための乳であり,LFが含まれていることは理にかなっています。しかし,生乳のLF濃度はヒトの母乳の10分の1程度なので,ヒトの母乳中のLFが非常に多いことは明確です。また,母乳以外にも唾液や涙,鼻汁など体内の外分泌液,粘膜液,白血球の一種である好中球に存在し,外部から進入する細菌やウイルスからの攻撃を防ぐ防御因子のひとつと考えられています。

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