高血圧や白血病治療薬の臨床研究で不正が行われていた問題でノバルティスファーマ社は3日、日本法人の二之宮義泰社長ら役員3人の辞任を発表した。新社長にはスイス本社新興成長市場オンコロジー事業部門責任者のダーク・コッシャ氏が就任する。
同日の会見で、スイス本社のデビッド・エプスタイン社長は「法令を遵守し、倫理的に事業を遂行できる経験豊かな新経営陣によって会社を立て直す必要がある」と強調。さらに、2011年以降、ノバ社が関与した医師主導臨床研究について第三者による調査を2月から実施し、本夏に調査が完了予定であること、調査継続中は日本の医師主導臨床研究への支援を中止する方針を明らかにした。
会見前日の2日には、白血病治療薬の医師主導臨床研究SIGNについて、ノバ社の社外調査委員会が調査報告書を発表。ノバ社社員が、患者データが記されたアンケートを回収していたことや、その際に副作用の発生を国に報告していなかったことなど、個人情報保護法や薬事法違反の可能性を指摘した。
この問題についてエプスタイン社長は、関与したMRの責任者数名を解雇したことを明らかにするとともに、今後報告書を精査した上で、新たな処分対象者を決定する考えを示した。