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【文献 pick up】夜間血圧をコントロールするには家庭血圧をどこまで下げるか?―HI-JAMP研究/Hypertens誌

宇津貴史 (医学レポーター)

登録日: 2023-09-20

最終更新日: 2023-09-20

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わが国では家庭血圧測定が広く行われている。一方、通常の家庭血圧測定ではJSH2019で「高血圧診療」において「留意する」とされた「夜間血圧」や「職場血圧」の評価は困難である。しかしこのたび、家庭血圧を目安とした夜間血圧や昼間血圧の管理達成率の目安が明らかになった。自治医科大学の苅尾七臣氏らが9月6日、Hypertension誌で報告した。抄録を基に紹介する。

【対象と方法】

今回の解析対象は、一般医家受診中の降圧薬服用高血圧患者2269例中、「家庭血圧≧13585mmHg」(高血圧)を除外した1350例である。直近半年以内の脳卒中既往例や慢性透析例、認知症例なども除外されている(上記家庭血圧は、24時間血圧計5日間装着による測定値)。

これら1350例を対象に、家庭血圧カテゴリー別の夜間高血圧(≧12070mmHg)率、昼間高血圧(≧13585mmHg)率を比較した。

【結果】

その結果、家庭血圧「<13585mmHg」達成群では33.6%が夜間高血圧だった。昼間高血圧も18.5%に認められた。

一方、家庭血圧「<13080mmHg」達成群では、夜間高血圧率が26.0%、昼間高血圧率も12.9%まで低下した。

さらに家庭血圧「<12575mmHg」まで下げると、高血圧の割合は夜間血圧で15.3%、昼間血圧も9.0%という値になった。

【付記】

本解析はHI-JAMP[Home-Activity ICT-based Japan Ambulatory Blood Pressure Monitoring Prospective]研究の一部として報告された。同研究は治療下高血圧例を対象とした全国的観察研究である[UMIN000029151]。マルチセンサー搭載ABPM使用により血圧のみならず身体活動量や気温などが心血管系イベントに与える影響まで解析予定だという[同研究ウェブサイト]。

HI-JAMP研究は大塚メディカルデバイス株式会社と株式会社エー・アンド・デイから研究費の提供を受けている。

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