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【文献 pick up】食塩非感受性の治療抵抗性高血圧でも減塩介入で著明降圧、内皮機能マーカーも改善―BMC Nephrol誌

宇津貴史 (医学レポーター)

登録日: 2023-09-29

最終更新日: 2023-09-29

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薬剤治療抵抗性高血圧、それも多くが食塩非感受性であっても、減塩指導により血圧は著明に低下することが、少数例を対象とした観察で明らかになった。減塩後の血管内皮機能改善も示された。デンマーク・オーフス大学のBodil G. Hornstrup氏らが9月19日、BMC Nephrology誌で報告した。

【対象】

今回の解析対象となったのはデンマーク在住で、3カ月以上の降圧薬服用にもかかわらず「24時間血圧≧13080mmHg 」だった15例である。血圧測定直近の降圧薬服用(起床後)は観察下で実施した。

症候性心不全例、中等度以上腎機能低下例、末梢浮腫例、閉塞性睡眠時無呼吸治療例などは除外されている。

平均年齢は59歳で、11例が男性。降圧薬服用数(中央値)は5.5剤/日だった(K保持性利尿薬服用は8例)。

尿中Na排泄量から推算される食塩摂取量は11.2g/日だった。

ただし食塩感受性(salt blood test評価)を認めたのは20%のみである。

【方法】

これら15例は2週間の通常食摂取後、減塩食に変更し2週間継続した。減塩食実施にあたっては、減塩マニュアルと食塩無添加パンが支給された。

いずれも期間終了前の3日間で血圧、ならびに血圧変動と関連する因子を評価した。

【結果】

・Na排泄

その結果、まず24時間尿中Na排泄量だが、「通常食」期間中に有意な変化はなかった。一方、「減塩食」終了時には「通常食」終了時に比べ、2.2gの有意低値となっていた。

・血圧

同様に「24時間血圧」も、「通常食」期間中は有意な変化を認めなかったが、「減塩食」終了時には「通常食」終了時に比べ「10/5mmHg」、有意に低くなっていた。

これは「夜間血圧」で比較しても同様で、「通常食」終了時に比べ「85mmHg」の有意低値だった。

・内皮機能

さらに血管内皮機能マーカーである一酸化窒素(NO)代謝産物(NOx)は、「通常食」期間終了時に比べ「減塩食」終了時で、有意高値となっていた。

そしてこのNOx濃度の変化は、24時間血圧変動と相関する唯一の因子だった。一方Na排泄量(±K補正)と血圧変動の間には有意な相関は認められなかった。

本研究はグロストラップ病院研究基金とデンマーク心臓基金から資金提供を受けた。

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