【質問者】
森本耕三 結核予防会複十字病院呼吸器センター医長/長崎大学大学院臨床抗酸菌症学分野教授
【ST合剤が治療の第一選択である。近年,ST合剤低用量治療が世界的に注目されている】
Non-HIV PCPの発症は細胞性免疫の低下が主要な原因と考えられています1)。代表的なリスクファクターとして,ステロイド投与,免疫抑制剤投与,生物学的製剤使用,抗癌剤投与,血液悪性腫瘍患者,造血幹細胞移植などがあります2)。リスクファクターのある患者に呼吸器症状を認め,胸部CTで両側びまん性すりガラス影を認めた場合にPCPを疑います。実臨床においてPCPを疑ったら,呼吸器検体で顕微鏡検査あるいは核酸検出検査を行ってニューモシスチス陽性となった場合,あるいはβ-D-glucanが上昇し,PCP治療により改善すればPCPと診断します。
PCP治療の第一選択はST合剤です。国際ガイドラインでは,ST合剤の標準量は,trimethoprim(TMP)15~20mg/kg/日となっています3)。しかし,ST合剤は副作用が多いこと,標準量のエビデンスが不十分であることから,近年はST合剤低用量治療が注目されています4)。
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