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医療・介護関連肺炎(NHCAP)[私の治療]

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  • ▶治療の実際

    【非薬物治療】

    嚥下・運動能評価とリハビリテーション,口腔ケア・食事指導,退院支援,終末期医療など(患者背景に応じて)。

    【抗菌薬治療】
    〈耐性菌を考慮しない場合〉

    一手目 :ロセフィン注(セフトリアキソンナトリウム水和物)1回2g 1日1回(点滴静注),またはクラフォラン注(セフォタキシムナトリウム)1回1g 1日3回(点滴静注),またはユナシン-S注(アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム)1回3g 1日3~4回(点滴静注)

    二手目 :〈処方変更〉オーグメンチン配合錠250RS(クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物)1回1錠1日3回(毎食後)+サワシリン250mg錠(アモキシシリン水和物)1回1錠1日3回(毎食後),またはダラシン150mgカプセル(クリンダマイシン塩酸塩)1回2カプセル1日3回(毎食後)

    〈緑膿菌を考慮する場合〉

    一手目 :ゾシン注(タゾバクタム・ピペラシリン)1回4.5g 1日3~4回(点滴静注)

    二手目 :〈処方変更〉モダシン注(セフタジジム水和物)1回2g 1日3回(点滴静注)

    〈MRSA肺炎を考慮する場合〉

    一手目 :バンコマイシン塩酸塩注(バンコマイシン塩酸塩)1回1g 1日2回(点滴静注)

    ▶患者への説明のポイント

    NHCAPはその背景から,誤嚥性肺炎と診断される症例が多い。この場合,嚥下障害の原因や程度を評価し,対応策を講じることが重要で,通常の細菌性肺炎とは説明も異なる。誤嚥性肺炎は,疾病の末期や老衰などの終末期に生じることも多く,個人の意思やQOLを優先し,抗菌薬を投与しないこともある1)。繰り返し肺炎を生じる患者などについては,アドバンス・ケア・プランニングを考慮して患者や家族に説明する必要がある。

    【文献】

    1) 日本呼吸器学会成人肺炎診療ガイドライン2017作成委員会, 編: 成人肺炎診療ガイドライン2017. 日本呼吸器学会, 2017.

    2) Waterer GW:Eur Respir J. 2019;54(1):1900870.

    鍋谷大二郎(琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科学講座)
    山本和子(琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科学講座教授)

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