低出生体重児の原因としては,早産と胎児発育不全に大きくわけられる。2021年における低出生体重児の割合は9.4%と,近年は増加傾向である。
出生体重が2500g未満を「低出生体重児」,さらに1500g未満を「極低出生体重児」,1000g未満を「超低出生体重児」と定義される。胎児発育不全の場合,その原因として母体要因,胎盤・臍帯要因,胎児要因にわけられ,胎児期もしくは生後に児への介入や検査が必要か判断するためにも,原因精査を行う必要がある。
当院では在胎36週未満,出生体重1800g未満の児は全例をNICUでの管理対象とし,呼吸・循環動態をはじめとした全身の多岐にわたるモニタリングを行い,必要に応じて治療介入を行う。出生後すぐにNICU入室となった場合,早期から母子面会を促すことで,良好な愛着形成を築き上げるのが重要と考えている。低出生体重児では,退院後も様々な医療的ケアが必要となることもあり,児へのサポートとともに養育者への指導も併せて進めていく。
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