No.5235 (2024年08月24日発行) P.14
福井慶太郎 (福井内科消化器科クリニック理事長)
登録日: 2024-08-23
最終更新日: 2024-08-21
SUMMARY
この「プライマリ・ケアの理論と実践」の連載は,プライマリ・ケアの現場で日常的に出会う,様々な疑問や学びにとても役立つ内容になっている。ぜひ読者のプライマリ・ケア人生のお供にご活用頂きたい。
KEYWORD
生涯学習
プライマリ・ケア医にとっての生涯学習は,知識・技術のアップデートだけではない。日々の臨床実践から省察し,自分の中の価値観を覆し,あらゆる異領域との接続を図る活動のこと。
PROFILE
2006年名古屋市立大学卒業。北海道家庭医療学センターでの後期研修,フェローシップを修了。福岡県で家庭医療クリニックの立ち上げ後,実家のクリニックで診療を開始。2021年より継承し理事長へ。家庭医療専門医,指導医。
POLICY・座右の銘
優れるな,異なれ
5年以上にわたる本連載の編集委員を担当し,常々思っていたことは,「プライマリ・ケアを実践されている先生方は,この連載をどのような思いで読んでいらっしゃったんだろう」ということです。
内容は幅広く,かつ深みもあり,一読者として大変勉強になる内容ばかりでした。
一方で,「これだけ多くのことを知り,実践しなければプライマリ・ケア医は務まらないのか」と少し引いてしまったり,「これは総合診療なんちゃらという一部の特殊な医師たちがやっていることで,イチ開業医としては関係ない話だ」と別の世界の話として眺めている,なんて方もいらっしゃるかもしれません。
私は一応,家庭医療専門医であり,この連載の内容の実践を求められる医師です。と同時に,内科医である父が開業したクリニックに8年前に戻り,父とともに診療しつつ3年前に理事長を継承した,普通のイチ開業医でもあります。
ちょうど中間の立場の医師として,この数年にわたる連載を改めて眺めてみました。学べていないことや取り組めていないことがまだまだたくさんありますが,診療や経営で多忙な毎日,新たに学んだり実践に取り組むには,かなりのモチベーションが必要だなと感じています。
しかし思い返せば,私の代から新しい仕事を始めるたびに,この連載を見返し勉強することがありました。好きなことと,必要にせまられたことばかりですが……。