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デング熱の予防指針案を了承 [厚科審感染症部会]

No.4740 (2015年02月28日発行) P.7

登録日: 2015-02-28

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昨年8月にデング熱の国内感染症例が約70年ぶりに報告されたことを受けて、厚生労働省の厚生科学審議会感染症部会は20日、蚊が媒介する感染症では初の予防指針案を了承した。ヒトスジシマカが媒介するデング熱とチクングニア熱の発生予防とまん延防止を主な目的としている。厚労省はパブリックコメントを募集し、4月中に指針を告示する方針。
指針案では、蚊媒介性感染症のマラリア、ウエストナイル熱は、輸入症例を起点とした国内感染発生の可能性が低く、日本脳炎は定期の予防接種が実施されていることから、デング熱とチクングニア熱の2疾患を重点的に対策を講じる蚊媒介性感染症と位置づけた。
指針案は(1)平常時の予防対策、(2)発生動向調査の強化、(3)国内感染のまん延防止対策、(4)医療、(5)研究開発、(6)人材養成、(7)国際連携、(8)普及啓発─の8章で構成。
このうち、発生動向調査の強化と医療に関しては、診断から届出、治療に至る一連の手順を示した手引きを作成し、医師に周知する。デング熱に関する手引きは昨年作成されているが、チクングニア熱への対応も盛り込んだ新たな手引きを指針の告示とあわせて4月中に公表する。
このほか、地域医療を担う医師が感染症の専門家に円滑に相談できるよう、日本医師会や関係学会などと連携して協力体制の構築に努めることとした。

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