昨年11月に施行された過労死等防止対策推進法に基づき、国が取るべき施策について検討する厚労省の「過労死等防止対策推進協議会」(会長=岩村正彦東大院教授)が25日に開かれ、「2020年までに週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下」などの数値目標を盛り込んだ大綱案をまとめた。今夏に閣議決定される。
大綱案では現状として、週労働時間60時間以上の労働者は1割弱おり、働き盛りの30代男性では17.0%(14年)と高水準を示していることや、有給休暇の取得率は5割を下回ることを問題視。さらに、長時間労働以外の過労死の発生要因が明らかでないことや、過労死の詳細な統計がないことを課題として挙げた。
その上で、将来的に過労死ゼロを目指すために、過労死の実態解明のための調査研究を早急に行う必要性を強調。また、数値目標として「20年までに週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下、年次有給休暇取得率を70%以上」「17年までにメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上」を掲げた。