【Q】
気管支喘息や咳喘息の病歴がないにもかかわらず,毎年,花粉飛散時期に咳嗽を訴える患者さんのマネジメントに困ることがあります。私自身は,花粉症による後鼻漏,下気道への花粉の吸入,上気道炎症による下気道炎症の誘発などの可能性を考えて,可能な限り「耳鼻咽喉科紹介」や「気道過敏性試験」を実施しますが,時間のかかる診療や検査を希望しない患者さんも少なくありません。どのように効率良く病態を鑑別して,治療薬を選択していらっしゃるのでしょうか。【A】
ご指摘のような症例は私もしばしば経験しますが,鑑別の究極のポイントはその患者さんに既往歴では明らかではない喘息がはたして存在するか否か,の一点に尽きると考えます。明らかな喘鳴・呼吸困難のみられる喘息の鑑別に専門医が難渋することはないので,ここでは「咳喘息があるのか否か」にポイントを絞ります。
1) 新実彰男:気管支学. 1992;14(8):827-30.