【Q】
75歳,男性。53歳のときに痛風発作があり,アロプリノールを服薬継続中。その後,発作なし。58歳から高血圧のためアムロジピン5mg1錠,トリクロルメチアジド1mg1錠,リシノプリル20mg1錠服薬中。年1回の検診で2013年7月,尿酸値6.7mg/dL。2014年4月26日,右母趾発赤,腫脹疼痛あり。当日の尿酸値6.1mg/dL,白血球6500/μL。このとき,発赤,腫脹は約10日間で消失している。生活習慣は,1日にタバコ10本,日本酒3合。前日通常の散歩を30分。そのうち100mくらいは走っている。【A】
本例は痛風発作の既往のある男性であり,好発部位である母趾の急性単関節炎が約10日で軽快という典型的な経過をたどっていることから,やはり最も疑うべきは痛風発作である。高尿酸血症の治療中であるが,数カ月前の検診では尿酸値が尿酸の体液中での溶解限界と考えられる6.4mg/dLを上回っており,関節内に尿酸塩が沈着した可能性は十分に考えられる。発作時の尿酸値は6.1mg/dLであるが,発作中の血清尿酸値は必ずしも高値を示さず,むしろ低値を示すことが少なくないため,発作時の血清尿酸値が低いからといって油断はできない。痛風発作消退後に血清尿酸値6.0mg/dLを目標に治療を行うとよいと考えられる。
1) 日本痛風・核酸代謝学会ガイドライン改訂委員会 編:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン. 第2版. メディカルレビュー社, 2010. P111.