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ピロリ菌除菌治療で薬疹をきたす場合の除菌の可能性

No.4759 (2015年07月11日発行) P.62

佐藤貴一 (国際医療福祉大学病院消化器内科内視鏡部長)

登録日: 2015-07-11

最終更新日: 2016-10-18

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【Q】

62歳,女性。内視鏡検査でピロリ菌陽性。以前,ミノサイクリン,ニューキノロン系薬でピロリ菌除菌治療を試みたところ,薬疹が出現し,またリンパ球幼若化試験で,アモキシシリン,クラリスロマイシン,いずれも陽性。
このようにピロリ菌除菌に用いる薬剤で薬疹をきたす患者に対してピロリ菌の除菌は可能なのでしょうか。ご教示下さい。 (宮城県 N)

【A】

本例は,以前にミノサイクリン,ニューキノロン系薬にてピロリ菌除菌治療を行ったところ薬疹が出現し,またリンパ球幼若化試験でアモキシシリン,クラリスロマイシン,ともに陽性とのことです。
本例では,どのようなレジメンで除菌治療を行ったのか,現在,保険が適用されている一次(PPI+アモキシシリン+クラリスロマイシン)・二次(PPI+アモキシシリン+メトロニダゾール)除菌レジメンの治療を行ったのかなどの詳細は不明です。しかし,ミノサイクリン,ニューキノロン系薬を含む治療(おそらくは別々のものと想像しますが)では,薬疹の副作用が出ています。
アモキシシリンとクラリスロマイシンを投与したかどうかは不明ですが,リンパ球幼若化試験が陽性です。そのため,これらの抗菌薬は,本例のピロリ菌除菌治療に使用できないことになります。これら以外でピロリ菌除菌に用いられる抗菌薬は,メトロニダゾールのみです。ただし,抗菌薬が本剤1剤のみのレジメンでは,胃酸分泌抑制薬と併用したとしても,除菌はまず困難です。
したがって,本例では,ピロリ菌除菌治療はできないと考えます。

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