【Q】
双胎間輸血症候群は,治療しなけば双子の胎児どちらも救命が困難な病気と聞いていますが,どのようなメカニズムにより発症するのでしょうか。また,最近では羊水除去術よりも,胎児鏡を用いたレーザー手術が行われることが多いと聞きますが,手術の詳細についてお教え下さい。大阪府立母子総合医療センター・石井桂介先生に。【A】
双胎間輸血症候群(twin-twin transfusion syndrome:TTTS)は,一絨毛膜双胎の約1割に発症する予後不良な疾患です。胎児死亡・新生児死亡の頻度が高く,生存例でも神経学的後遺症が懸念されるハイリスク状態です。一絨毛膜双胎の胎盤にある吻合血管を介する両児間の血流不均衡が病因と考えられています。