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1型糖尿病の内科的治療の展望

No.4733 (2015年01月10日発行) P.46

山﨑真裕 (京都府立医科大学内分泌・代謝内科学学内講師)

登録日: 2015-01-10

最終更新日: 2016-10-26

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2型糖尿病として治療されている患者の中の約10%程度に,緩徐進行型1型糖尿病(SPIDDM)と呼ばれる1型糖尿病患者が含まれていることが明らかとなり,糖尿病の日常診療において1型糖尿病の治療対策は無視できなくなった。1型糖尿病患者特有の精神的・社会的問題や治療のストレス,将来への不安など,対処しなければならないことは多く,チーム医療の重要性は言うまでもない。もちろん,どのような手を尽くしてもコントロールの難しい症例は存在し,移植医療(膵臓,膵島移植)への期待は大きいが,まだまだハードルが高いのが現状である。
カーボカウントの習得,日々の血糖の変動への対応など,患者自身の努力だけでなく,進歩する内科的治療の応用を考えることが個々の患者への貢献となる。種々のインスリンの発売によって,オーダーメードのインスリン療法が可能となった。また,頻回自己注射のストレス軽減法として持続皮下インスリン注入療法(CSII)も選択可能である。
今後,国内でもリアルタイムに血糖を表示できるポンプが使用可能となり,海外ではbihormonal closed-loop bionic pancreasも開発中(文献1)で,よりきめ細かい治療が可能となる。ただ,治療法の選択肢の多様化,血糖値をいつでもみられることが逆に患者のストレスを増やす可能性もあり,様々な問題に対応できる医療チームの重要性は今後も変化することはないであろう。

【文献】


1) Russell SJ, et al:N Engl J Med. 2014;371(4): 313-25.

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