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皮膚筋炎関連間質性肺炎に対する診断と治療の進歩

No.4765 (2015年08月22日発行) P.46

安東 優 (大分大学呼吸器・感染症内科准教授)

登録日: 2015-08-22

最終更新日: 2016-10-26

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近年,皮膚筋炎において様々な自己抗体が発見され,病型や治療反応性との関連が示唆されている。アミノアシルtRNA合成酵素に対する自己抗体陽性の場合(抗ARS抗体症候群),間質性肺炎の合併率は70~95%と高頻度であり,慢性あるいは亜急性の経過をとって,治療反応性は良好である(文献1)。一方,抗Jo-1抗体陽性は筋炎症状を伴うが,抗OJ,PL-12,PL-7,KS抗体では筋炎症状が乏しいとされており,筋炎症状の乏しい皮膚筋炎(CADM)は,間質性肺炎が急速に進行する予後不良な疾患群である(文献2)。
近年,CADMの患者血清中から抗MDA-5抗体が発見された(文献3)が,血清中抗MDA-5抗体高値やフェリチン値高値が予後予測因子とされている。
CADMに合併する間質性肺炎は治療抵抗性が予想されることから,早期診断・治療の開始が望まれるが,retrospectiveな解析では治療奏効例は大量ステロイドに加え,シクロホスファミドやシクロスポリンを併用していた。さらに,免疫抑制療法無効例に対し,ポリミキシンB固定化カラムによる直接血液灌流法(PMX-DHP),リツキシマブ,γグロブリン療法が有効であったなどの報告が散見され,今後の症例の集積が待たれる。

【文献】


1) Mimori T, et al:Curr Rheumatol Rep. 2012;14(3):264-74.
2) Sontheimer RD:J Am Acad Dermatol. 2002;46(4):626-36.
3) Sato S, et al:Arthritis Rheum. 2005;52(5):1571-6.

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