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胃癌におけるconversion therapyの課題

No.4769 (2015年09月19日発行) P.56

奧村直樹 (岐阜大学腫瘍外科)

吉田和弘 (岐阜大学腫瘍外科教授)

登録日: 2015-09-19

最終更新日: 2016-10-26

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切除不能の進行癌症例に化学(放射線)療法が奏効し,遺残のない治癒切除が可能と判断され,外科的治療に治療方針が変更(convert)されることをconversion therapyと呼ぶ。
遠隔転移のある進行癌の治療の基本は化学療法であり,手術が全治療経過の一部として補助的な役割を果たすことから,conversion therapyにおける手術をadjuvant surgery(文献1)とも呼ぶ。大腸癌肝転移において,化学療法後に切除が可能となった転移巣を切除することで33%の5年生存率が得られ(文献2),大腸癌では切除可能となった場合は積極的に転移巣を切除することが標準となった。
胃癌においてはコンセンサスはまだ得られていないが,非治癒因子が切除可能となりR0手術をめざせる症例は,conversion therapyによる予後改善が期待できるという報告が散見されるようになった(文献3)。ただ,conversion可能と判断したが,結果的にがんが遺残した症例は,非切除例と予後に差が認められない。『胃癌治療ガイドライン(第4版)』では,遠隔転移を有するStage Ⅳ胃癌の治療として,化学療法,放射線療法,緩和手術,対症療法が併記されているのみであり,適応は慎重になされなければならない。
今後は,胃癌におけるconversion therapyの対象症例の検討,化学療法・術式の妥当性評価,治療のタイミング適正化などの多くの課題が残されている。

【文献】


1) Yoshida K, et al:Pathobiology. 2011;78(6):343-52.
2) Adam R, et al:J Clin Oncol. 2008;26(10):1635-41.
3) Suzuki T, et al:Oncol Lett. 2010;1(4):743-7.

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