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糖尿病神経障害の新たな診断機器 【腓腹神経の神経伝達速度,角膜神経線維密度や神経長などを容易に計測できる装置の登場で,神経障害の早期診断に期待】

No.4804 (2016年05月21日発行) P.52

齋藤のぶ子 (日本大学糖尿病・代謝内科)

石原寿光 (日本大学糖尿病・代謝内科主任教授 )

登録日: 2016-05-21

最終更新日: 2016-10-26

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糖尿病の合併症の中でも神経障害は初期より進行し,発症頻度は約40%と言われている。末梢神経障害の早期発見は壊疽などの予防に重要である。診断は臨床症状,身体所見,電気生理学的検査,病理検査を組み合わせて行われるが,電気生理学的検査などは中等規模以上の施設でしか評価できないという欠点があった。
近年,腓腹神経の神経伝達速度が比較的容易に計測できる装置HDN-1000(DPNチェック)が発売された。また,病理組織学的検査法としては非侵襲的な角膜共焦点顕微鏡(corneal confocal microscopy:CCM)が新たに注目されている(文献1)。DPNチェックは既に欧米で使用されており,腓腹神経の走行が理解できれば容易に日常診療で用いることができる。また,従来の神経伝導検査と比較してSNAP(知覚神経活動電位),SNCV(感覚神経伝導速度)ともにほぼ同等の数値を示し,有用性が評価されている(文献2)。
角膜は三叉神経枝の眼神経の支配を受け,角膜上皮細胞間にはAδと無髄C線維などの神経線維が入り込み,角膜の感覚を司っている。CCMを用いることで角膜神経線維密度や神経長などを評価でき,神経障害の数値化が可能となる。今後,これらの診断技術の普及により,神経障害のより早期の診断が期待されている。

【文献】


1) Hossain P, et al:Lancet. 2005;366(9494):1340-3.
2) Lee JA, et al:PLoS One. 2014;9(1):e86515.

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