【Q】
全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)にて免疫内科通院中の方を併診している開業医です。SLEに対して維持用量としてプレドニゾロン10mgを内服中ですが,1~2カ月に1回の頻度で突然38℃台の発熱や悪寒を認めるものの,半日で解熱するというエピソードを繰り返しています。免疫内科では発熱の際に血液検査,画像検査が施行されているようですが,原因は判然としません。【A】
基礎疾患の病勢が安定しているような状況で突然の発熱と自然解熱を繰り返すというエピソードは,免疫内科外来で診察をしている中で,SLEに限らず多くの自己免疫疾患患者においてしばしば経験されます。SLEでは,CRP上昇を認めない原疾患に関連する発熱は起こりうると考えられます。しかし,多くの場合,一過性の発熱であり,定期的な通院で臓器障害を含む病勢コントロールがきちんと行われていれば,問題となることは少ないと思われます。
1) Oka T, et al:Biopsychosoc Med. 2007.
[http://bpsmedicine.biomedcentral.com/articles/10.1186/1751-0759-1-11]
2) 矢崎正英:信州医誌. 2007;55(4):173-80.