【質問者】
飯島克則 秋田大学大学院医学系研究科 消化管内科学講座教授
LDA起因性消化性潰瘍・出血に対しては,LDA中止により血栓症のリスクが高まるために中止が困難なことが多く,出血例に対しても,可能な限りアスピリンを継続あるいは早急に再開することが望ましいと考えられています。『消化性潰瘍診療ガイドライン2015 改訂第2版』では,LDAによる消化性潰瘍発生の一次予防に酸分泌抑制薬が推奨され,上部消化管出血の再発抑制には,除菌単独療法に比べ,除菌に加えてPPIの投与が推奨されています。さらにLDAにNSAIDs併用投与が必要な消化管傷害リスクが高い患者に対しては,COX-2選択的阻害薬とPPIの併用が推奨されています。即効性で強力な酸分泌抑制効果を有するカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(potassium-competitive acid blocker:P-CAB)ボノプラザンとともにPPIは,LDAおよびNSAIDs潰瘍再発予防に対して,保険適用となっています。
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