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特発性間質性肺炎の中の自己免疫の特徴を持った間質性肺炎(IPAF) 【国際的な合意をもとにIPAFと命名された診断基準が作成された】

No.4843 (2017年02月18日発行) P.53

近藤光子 (東京女子医科大学内科学第一講座准教授)

登録日: 2017-02-14

最終更新日: 2018-11-27

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特発性間質性肺炎は原因不明とされるが,膠原病と関連した症状や検査所見を伴うものが存在する。2015年,米国胸部疾患学会(ATS)と欧州呼吸器学会(ERS)は共同でこれらを包括的に統合する概念を提唱し,国際的な合意をもとにinterstitial pneumonia with autoimmune features(IPAF)という命名を定めた診断基準を発表した1)。この作業には13名の呼吸器専門医,4名の膠原病専門医,放射線専門医と病理医が1名ずつ関わった。

その診断基準では,①高分解能CT(HRCT)検査あるいは外科的肺生検で間質性肺炎が存在する,②ほかの原因による間質性肺炎が除外される,③確立した膠原病の診断基準を満たさない,という条件に加えて,④臨床的・血清学的・形態学的ドメインからなる3つのドメインのうち,1つ以上の項目を満たすドメインが2つ以上あることが必要である。血清学的ドメインの項目にはかなり特異度の高い自己抗体が取り上げられている。たとえば,最近保険適用となった抗aminoacyl tRNA synthetase(ARS)抗体なども含まれている。

また,形態学的ドメインには,画像や組織学的に非特異性間質性肺炎(NSIP)パターン,器質化肺炎(OP)パターンが入っている一方,通常型間質性肺炎(UIP)パターンは含まれていない。このことによりUIPパターンがIPAFと診断されにくくなる欠点が指摘されている2)。今後,前向き研究により,その有用性が検証される必要がある。

【文献】

1) Fischer A, et al:Eur Respir J. 2015;46(4):976-87.

2) Collins B, et al:Eur Respir J. 2016;47(4):1293-5.

【解説】

近藤光子 東京女子医科大学内科学第一講座准教授

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