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脳神経外科におけるハイブリッド手術の有用性 【開頭術と血管内治療の組み合わせにより,治療全体としての低侵襲性と確実性が大きく向上】

No.4850 (2017年04月08日発行) P.58

吉岡秀幸 (山梨大学脳神経外科学部内講師)

金丸和也 (山梨大学脳神経外科学部内講師)

木内博之 (山梨大学脳神経外科学部内教授)

登録日: 2017-04-05

最終更新日: 2021-01-06

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近年の外科治療の低侵襲化によって血管内治療技術の需要が増えており,それに伴い,それぞれ単独ではなく,外科手術との併用も行われるようになっている。このような背景をふまえて,手術室と血管撮影室の両方の機能を兼ね備えたハイブリッド手術室が普及している。脳神経外科においても,複雑な術中体位でも撮影可能な多関節型血管撮影装置が開発され,ハイブリッド手術室の導入が進んでいる。これにより,血管撮影や血管内治療と開頭手術を同時に,あるいは場所を移さず前後して行うことができるようになり,治療全体としての低侵襲化と確実性が大きく向上する。

具体的には,脳動脈瘤や脳動静脈奇形などの血管障害の外科治療における術中血管撮影が簡便かつ高い精度で行えるため,治療判定が容易になり,治療の精度が向上することが挙げられる。加えて,クリッピングが困難な脳動脈瘤に対する意図的な頚部形成術や,血行再建術と血管内瘤塞栓術との併用,さらには脳動静脈奇形における血管内塞栓術と摘出術との組み合わせなど,双方の治療方法の併用による治療適応の拡大や,根治性の向上も見込まれる。

今後,さらに新しい脳血管内治療デバイスの開発や技術の発展に伴い,外科治療との融合が進み,ハイブリッド手術室の重要性は増すものと考えられる。

【解説】

吉岡秀幸 山梨大学脳神経外科学部内講師

金丸和也 山梨大学脳神経外科学部内講師

木内博之 山梨大学脳神経外科学部内教授

 

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