患者調査は2つの調査から成り立っている。1つは10月中のある調査日における入院患者ならびに外来受診患者に対する断面調査であり,もう1つは9月1カ月間中の退院患者に対する動態調査である。前者は国勢調査,後者は人口動態統計のようなものと思えばよい。動態調査だから死亡率がわかる。死亡退院率を傷病別にみてみよう(病院のみならず有床診療所も含む)。
虚血性心疾患の死亡退院率は徐々に低下しつつあるが,脳血管疾患の死亡退院率は横ばいもしくはむしろ悪化している(図1)。ただ,死亡退院率は年齢補正をしておらず,患者の高齢化による影響もあるかもしれない。また死亡退院率は在院日数も考慮しておらず,入院当日の死亡も,入院1年後の死亡も同じくカウントされる。OECDの急性期医療の質指標は入院後30日以内死亡率であるが,この死亡率は30日以内だけでなくすべての死亡退院患者を含んでいる点に留意する必要がある。
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