社会医療診療行為別調査(以下,社会医療調査)はレセプトの診療内容の詳細な調査として50年以上の歴史がある。社会医療調査は毎年6月審査分レセプトを対象に実施される抽出調査であり,診療報酬改定の重要な基礎資料とされてきたが,レセプトオンライン化に伴って,2012年度分より病院と調剤薬局についてはナショナルデータベースからの全数調査となった。
医療機関種類別の点数を入院・入院外別,診療行為大分類別に示す(表1)。1カ月の医療費(患者負担含む)は,入院外が約1兆2647億円,入院が1兆567億円。このうちDPC病院は,一般病院および療養病床を有する病院のうちの再掲である。意外にも,一般病院などに占めるDPC病院のシェアは入院では40.24%にすぎない。急性期医療にDPCは普及してきたが,わが国入院医療費の割合でみるとまだまだ小さいと言える。DPC病院のシェアは外来のほうがむしろ大きく,60.72%となっている。入院外に目をやると,無床診療所の投薬点数がきわめて大きく,無床診療所では医薬分業がまだ進んでいないことがうかがえる。
病院は病床規模別に集計されているので,病床規模別の入院点数割合を診療行為大分類別にみてみる(表2)。入院料は病院の入院点数の約50%を占めているが,その割合は病床規模によって異なり,300床までの病院では約60%だが,病診規模が大きくなるにつれて小さくなり,500床以上の大病院ではわずか25%と,手術の割合が最も大きくなる(44%)。DPCによる包括評価点数も500床以上の大病院でも8.29%にすぎない。
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