新専門医制度の構築に向け、日本専門医機構がこのほど示した新たな整備指針と運用細則に関して、全国医学部長病院長会議の新井一会長は17日、「基本領域における専門医育成の教育レベルを保持しつつ、地域医療確保への配慮が十分なされた」として、機構の方針を支持する意見書を提出したことを明らかにした。
意見書提出の背景について新井氏は、「地域医療への配慮と専門医の質の担保、両方のバランスが重要。一部では“地域医療偏重”ともとれる意見が強く主張されていた」と説明。地域医療への影響を懸念する声が根強いことに対しては、「(専門医の研修は)基本的にプログラム制。大学が研修基幹施設になっても、専攻医は(施設群の中で)ローテートする」とし、「大学が医師を集めて復権を狙っているという批判は当たらない」と強調した。
機構の理事を務める同会議の稲垣暢也副会長は、制度の開始時期についてコメント。「当初の予定より1年延期されたことで、ただでさえ機構は資金的に苦しい状態。また1年延びたら財政破綻してしまう」と述べ、あくまで来年4月に開始すべきとの考えを示した。