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前立腺癌に対する高線量率組織内照射(HDR)単独治療の適応と線量分割【安価かつ短期間ですみ,放射線生物学的にも有利。実臨床の成績に期待】

No.4853 (2017年04月29日発行) P.59

伊丹 純 (国立がん研究センター中央病院放射線治療科科長)

吉岡靖生 (がん研有明病院放射線治療部 高精度放射線治療担当部長)

登録日: 2017-04-27

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  • 前立腺癌に対する高線量率組織内照射(high dose rate:HDR)単独治療の適応,線量分割などについてご教示下さい。がん研有明病院・吉岡靖生先生にお願いします。

    【質問者】

    伊丹 純 国立がん研究センター中央病院放射線治療科 科長


    【回答】

    前立腺癌に対する放射線治療には,「外照射」「小線源治療(=組織内照射)」「両者の併用」があります。「小線源治療」は放射性同位元素を前立腺に挿入する治療法で,限局した部位に大量の放射線を照射するのに適します。「小線源治療」には2種類あり,線量率の低い線源を永久に前立腺内に埋め込む低線量率小線源治療(low dose rate:LDR)と,線量率の高い線源を一時的に前立腺に挿入するHDRとがあります。

    (1)小線源治療の適応

    前立腺癌に対する小線源治療の歴史は,①LDR単独治療→②LDR+外照射→③HDR+外照射→④HDR単独治療,と進んできました。①は低リスク群の前立腺癌において,手術や外照射と同等の治療成績が得られる標準治療です。中・高リスク群には一般に②が好まれ,技術が向上した現在では,②は外照射単独より有意に生化学的制御率が高いというエビデンスが蓄積されつつあります。③は②のLDRの部分をHDRに置き換えたもので,やはり中・高リスク群が良い適応とされます。

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