治療や検査のために投与される薬剤に起因する有害事象の中で,肺障害はしばしば重篤な転機をとる。近年,きわめて効能の高い医薬品開発の一方で,医療現場で見過ごすことのできない肺障害が注目されている。そこには高度な医療の専門分化や,社会の高齢化など,様々な要因が関与している。
本特集では最も経験の豊富なエキスパートに執筆を依頼し,その被害を最小限にとどめるために医師として携えておくべき情報を集約した。
1 かかりつけ医が知っておくべき薬剤性肺障害のトピックス
日本医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野講師 齋藤好信
日本医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野主任教授 弦間昭彦
2 『薬剤性肺障害の診断・治療の手引き』の使い方
信州大学医学部内科学第一教室教授 花岡正幸
3 薬剤性肺障害の画像・鑑別診断を究める
埼玉医科大学国際医療センター画像診断科教授 酒井文和