【質問者】
八木田正人 元・北野病院リウマチ膠原病内科主任部長
RAやSpAは免疫異常を背景とした慢性炎症が病態の主座をなす疾患です。一方,代謝性疾患である肥満症,糖尿病,高尿酸血症,脂質異常症は,いずれも慢性炎症と深く関係しています。たとえば,内臓脂肪型肥満症ではアディポサイトカインの一種であるレプチンが過剰に産生されることが知られています。レプチンは視床下部に働き食欲を抑制する役割がありますが,その受容体はマクロファージにも発現しており,TNF-α, IL-6といった炎症性サイトカインの分泌亢進をきたすことが知られています。臨床的には,肥満症で高感度C反応性蛋白(CRP)の増加が認められます。なお,RA患者は低体重となることが報告されています。一見矛盾するようですが,それは慢性炎症によって筋肉量が低下したためであり,脂肪組織の分布は相対的に増加します。
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