降圧薬バルサルタン(販売名:ディオバン)を用いた臨床研究論文不正事件によって、医師主導臨床試験のあり方だけでなく、臨床現場における医薬品の効果に関する論文の読み方が問われています。そこで今回は、医薬品を用いた臨床研究論文を読む際にどこに注意し、結果を日常の診療・処方にどの程度反映しているのかお聞きしました。
今回のアンケートでは、101人の読者の先生方からご回答をいただきました。臨床研究論文を読んだことで日常診療・処方行動を変えた経験の有無について尋ねたところ(Q1)、「よくある」「時々ある」が合わせて58%(59人)、「あまりない」「ほとんどない」が合わせて38%(38人)となり、「ある」が約6割を占めました。
臨床研究論文を読む際に注意しているポイント(Q2、複数回答)については、「結果の統計的有意性」「掲載誌・著者」「論文に対する学会・専門家の評価」を挙げた方がそれぞれ40人前後、「研究手法やデザイン」とした方が32人で、外形的要素(掲載誌・著者など)と中身(結果の統計的有意性など)の双方が同程度重視されるという結果に。一方で、「特にない」という回答も15人から寄せられました。
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