日本医師会は6月28日に会見を開き、市川朝洋常任理事が、日医医師賠償責任保険(医賠責)制度における「指導・改善委員会」の取り組みを紹介した。
指導・改善委員会は、医療事故を繰り返す医師に対する教育・指導を目的として2013年8月に開始した。委員会では、医賠責に請求があった事案のうち一定の基準に基づいたものを日医会長に報告。指導を要する医師について会長が委員会に諮問し、それを受けて委員会が検討する。その後会長が委員会の答申内容を踏まえ、都道府県医師会に当該会員への指導・改善を依頼する流れ。
市川氏によると、指導・改善勧告を依頼した会員は、13年2名、14年10名、15年7名、16年8名で合計27名。再発防止の観点から事案を分析し、会員に対して事例集の配布や、学会等への注意喚起依頼を実施しているとした。
委員会メンバーの畔柳達雄弁護士は取り組みについて、「毎週調査委員会を開き、1件ずつ慎重に議論、検討している。かなり丁寧な作業」と強調。さらに、日医に限定した傾向とした上で、「最近は医療事故の紛争の付託が減ってきている。かつては年間300件以上あり、右肩上がりに400、500といくと思っていたが、現在は年間300件未満」と説明した。
27人について、「指導・改善が実行されたか確認はしていないものの、その後、医賠責には付託されていない」と話す市川氏