日本医師会の今村聡副会長は12日の会見で、死亡診断書作成支援ソフト「DiedAi」の活用を呼び掛けた。DiedAiは、今村氏が代表を務める厚生労働科学研究班が開発し、2015年に初版を発表。その後改訂を重ねている。
今村氏は、医師が手書きで作成した死亡診断書を役所で電子化している現状を説明した上で、手書きでは文字が読みにくい場合や、医師によって傷病名に不統一があるといった問題点を指摘。さらに「厚労省は死亡診断書(死体検案書)記入マニュアルを毎年公表しているものの、文書作成の際に、医師が死亡原因の傷病名に迷う場合は少なくない」として、電子化の必要性を説明した。
DiedAiでは、死亡診断書記載の注意事項やガイドを画面に提示。現行の死亡診断書には存在しない死亡時画像診断や死因究明検査の項目も付加されている。これについて今村氏は、「(死亡診断書の書式は)医学の水準に合わせて変えていくべき」と強調し、「研究班では現在、書式の改善点や追加すべき項目を検討している。報告書として提言にまとめたい」と話した。
DiedAiは日本医師会ORCA管理機構のホームページ(https://www.orca.med.or.jp/diedai/)から無料でダウンロード可能。