linked color imaging(LCI),blue laser imaging(BLI),BLI-brightの経鼻胃内視鏡を使用中です。大抵の胃内視鏡の本には,インジゴカルミン(indigo carmine:IC)を使用しないと早期胃癌を見落とすと書いてあります。白色光,LCI,BLIで胃癌を疑っている部位では,ICを使用することがありますが,実際,ほとんど使用せずに生検だけで終わっています。
(1)検査で正常と判断しているときに,ICを胃全体に撒布して,初めて胃癌が発見されることがあるのでしょうか。
(2)ICを撒布したことで,隆起がない発赤性あるいは褪色状の早期胃癌(bタイプ)が不明瞭にならないでしょうか。
(3)ICを撒布しない胃内視鏡検査では,胃癌を見落とす確率が上がるのでしょうか。胃全体に適当にICを撒くのに時間を要し,胃全体が不明瞭になりはしませんか。
(大阪府 H)
ICによる色素コントラスト法は,粘膜模様に存在する溝などに色素が溜まり,その模様を強調するというのが特徴です。よって病変全体がわずかに陥凹しており,周囲の背景粘膜と段差をつくっている場合,病変部は視認されやすくなります。たとえば図1の病変です。図1aの通常内視鏡では,わずかな発赤を認めますが,がんを指摘することはできません。しかし,図1bのIC撒布後では,陥凹病変の辺縁に色素が溜まり,病変部を容易に視認できるようになります。一方,病変部が背景胃粘膜に類似した模様を有する場合,むしろわかりにくくなります。図2の病変では,図2aの通常内視鏡では,褪色からがん病変を指摘できますが,図2bのIC撒布後では,病変部は背景と同様の模様となり,むしろ病変の指摘は困難になります。以上のIC法の原理をふまえてお答えします。
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