日本健康増進財団は24日、「胃がんリスク層別化検診 その費用対効果」と題したシンポジウムを都内で開催し、企業・自治体の健診担当者や医療関係者ら130名が参加した。
「胃がんリスク層別化検査」とは、ピロリ菌感染の有無を調べる「ピロリ菌抗体検査」と、胃炎の有無を調べる「ペプシノゲン値検査」を組み合わせた胃がん検査のこと。この方法によって胃がんのリスク分類をすることで、高リスク者の胃がんの早期発見を実現できる一方、低リスク者を二次検査(内視鏡検査)から除外し、検診自体のコスト削減にも繋げることができるという。
シンポジウムでは同財団代表理事を務める三木一正氏(東邦大名誉教授)が、全国282カ所の自治体で同検査が実施され、主要企業健保での導入も続いているとの現状を報告。東京都町田市の事例では2013~15年の3年間で約4万人が受診し、胃がん発見率が0.52%(従来のX線検診の4倍)、胃がん発見者1人当たりの検診コストが90.7万円(同1/5)になったとのデータを紹介し、胃がんの早期発見と検診費用の削減が両立できる検査のメリットを改めて強調した。