(鹿児島県 H)
確認できます。
現在,臨床的にピロリ菌感染を確認する方法の1つとして,生検診断が保険収載されています。通常の胃生検標本にピロリ菌感染があるかないかは,病理医による病理診断の役割の1つと広く認識されています。
施設によっては,ギムザ染色や抗ピロリ菌抗体を用いる免疫染色を追加して確認することも行われていますが,HE染色標本だけでも十分に感染を認識できます。弱好塩基性の桿菌あるいはらせん菌として,粘液円柱上皮に付着するか,粘液層の中に浮く形で観察されます(図1)。球菌状のcoccoid formとして顕微鏡下に現れることもあります。油浸レンズで見る必要はありません。ピロリ菌は,炎症が強い粘膜の粘液円柱上皮表面に観察されやすい傾向があります。がんや潰瘍の病変部にはピロリ菌感染はみられません。腸上皮化生の表面にもピロリ菌は認められません。化生上皮から分泌される分泌型IgAの作用でピロリ菌が排除されるためです。
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