ノバルティスファーマ社の降圧薬ディオバン(一般名:バルサルタン)の論文で新たな問題が判明した。2012年にHypertension誌で発表されたNagoya Heart Study(NHS)について名大公正研究委員会は11月22日、研究責任者の室原豊明教授(循環器内科)に論文撤回を勧告した。
NHSは心血管イベントに有意差はなかったものの、心不全による入院はディオバン群で有意に少ないという内容。名大が2014年に発表した調査報告では、データの不正操作はないとする一方、心不全の定義が臨床研究計画書では「心不全の発症/悪化による入院、悪化による追加治療」とあるのに、論文では「心不全による入院」とされていたため、論文の定義を計画書通りに訂正するよう勧告。その後学外から疑義があり、大学は追加調査を実施していた。
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