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シェーグレン症候群における口唇小唾液腺生検の意義【感度,特異度が高く,安定した評価が可能。2016年ACR/EULARでも重視されている】

No.4891 (2018年01月20日発行) P.56

藤澤朋幸 (浜松医科大学内科学第二講座)

下山久美子 (浜松医科大学内科学第三講座)

登録日: 2018-01-20

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  • シェーグレン症候群(Sjögren’s syndrome:SS)を疑う症例で,抗SS-A抗体陰性の場合,口唇小唾液腺生検を含む追加検査の方法,および意義について,浜松医科大学・下山久美子先生のご回答をお願いします。

    【質問者】

    藤澤朋幸 浜松医科大学内科学第二講座



    【回答】

    SSの診断は1999年厚生省研究班の改訂診断基準を用い,生検病理組織検査,口腔検査(ガム・サクソンテスト,唾液腺シンチグラフィ,シアログラフィ),眼科検査,血清検査の4項目のうち2項目を満たすことで診断します。SSは上記検査で総合的に診断されるもので,抗SS-A抗体の評価のみでは不十分ということになります。

    自験例149例の検討では,抗SS-A抗体の感度68.1%,特異度50.8%(抗SS-B抗体は特異度が高いですが,感度が低く,単独陽性はきわめて少ないと言えます),ガム・サクソンテストの感度70.5%,特異度38.1%,口唇小唾液腺生検の感度74.5%,特異度100%でした。臨床的に測定されることが多い抗SS-A抗体のみで評価をした場合,陰性例79例のうち62.0%がSS,陽性例114例のうち10.5%が非SS,という結果でした。つまり,約半数の症例が正しい診断を得られないということになり,抗SS-A抗体の評価のみでは不十分と言えます。

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