厚生労働省は6日、家庭用品による健康被害の病院モニター調査の結果を公表した。調査に協力した全国10施設の小児科から2016年度に報告された小児の誤飲事故は728件で、最も多い原因製品はたばこだった。厚労省は、たばこの誤飲事故の大半が集中する1歳前後の乳幼児に細心の注意を払うよう求めている。
2016年度の小児の誤飲事故の原因製品の内訳は、たばこ147件(20.2%)、医薬品・医薬部外品108件(14.8%)、プラスチック製品72件(9.9%)、食品類61件(8.4%)―などとなっている。たばこは3年連続で原因製品の第1位となった。
たばこの誤飲147件を誤飲の種別にみると、未使用のたばこが103件、吸い殻が33件、溶液(吸い殻が入った容器にたまった液)が8件だった。未使用たばこについては、電子たばこの葉を口にした事例も報告されている。年齢別では、ハイハイや捕まり立ちができる6~11カ月児が73例を占め、独力で室内を移動できる12~17カ月児も52例に上った。
147件のうち36件(24.5%)に何らかの健康被害の症状が発現し、悪心・嘔吐が28件でみられた。来院前に応急処置を行ったのは119例で、処置内容としては「かき出した・拭いた」が49件、「吐かせた」が22件で、飲料を飲ませるなどした例は23件あった。
報告書では、保護者に対し①たばこ、灰皿等を床やテーブルの上に放置しない、②空き缶、ペットボトル等を灰皿代わりにしない―などを求めている。飲料を飲ませるとニコチンが吸収されやすくなる可能性があり、たばこを吐かない場合もあることから、誤飲した場合は何も飲ませず直ちに受診させることが望ましいとしている。