抗多剤耐性結核薬としてベダキリンが1月に薬事承認されたことを受け、厚生労働省の厚生科学審議会結核部会は26日、結核医療の基準を改正することを了承した。
改正基準では、抗結核薬としてベダキリンを追加。ベダキリンは抗多剤耐性結核薬であることから、デラマニドと同様、イソニアジドおよびリファンピシンに耐性を有する場合に限って使用することとする。厚労省はベダキリンの薬価収載までに結核医療の基準(大臣告示)を改正し、通知する方針。
同日の部会では、日本結核病学会が1月の学会誌に掲載したベダキリンの使用に関する指針も報告された。
それによると、ベダキリンの使用の適否の判断について、①既存の抗結核薬に薬剤耐性および副作用の点から4~5剤目として使用できる薬剤がない場合は、多剤耐性肺結核薬であるベダキリンもしくはデラマニドは使用されるべき、②既存薬で5剤が使用可能である場合、多剤耐性肺結核薬であるベダキリンもしくはデラマニドを使用すべきかどうかについてはまだ結論が出ておらず、使用を否定するものではない、③多剤耐性肺結核薬であるベダキリンとデラマニドのいずれかを使用する場合、いずれを使用すべきかについては、現在のところ決まった方針はない。ただし、ベダキリンでは肝障害の頻度が高いことから肝障害を有する症例においてはデラマニドが優先する―などとしている。