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【他科への手紙】総合内科→内科

No.4898 (2018年03月10日発行) P.53

森川 暢 (JCHO東京城東病院総合内科チーフ)

登録日: 2018-03-07

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  • 私は京都で救急・総合診療科として後期研修を行った後、現在は東京の小規模病院で総合内科医をしています。昨今、総合診療専門医が正式に専門医となりましたが、内科との違いがわからないという声もよく見聞きします。内科医でありながら、総合診療的なことも行うという立場から、内科医の皆様に総合診療医についてお伝えします。

    総合診療医への誤解

    よくある誤解は、内科に小児科と整形外科などを加えれば総合診療医になるという言説です。確かに総合診療医はオールラウンダーではあるのですが、それは総合診療医の本質ではありません。
    もう1つよくある誤解は、総合診療医は診断学のプロであるという言説です。某テレビ番組の影響で一般の方もそのように思われていることが多いのですが、診断学は総合診療医特有の能力ではありません。むしろ、専門内科の先生方で非常に優れた洞察力をお持ちの先生も多数いらっしゃいます。

    総合診療医の本質とは

    家庭医の大家である藤沼康樹先生のブログに『日本の総合診療は「Generalist Medicine」と呼びたい』(http://fujinumayasuki.hatenablog.com/entry/ 2015/12/01/145510)という記事があります。そこで総合診療の専門性を考えるときに、多疾患併存=Multimorbidityが重要であるという記載があります。
    また総合診療医は広く深く診るべきであるという言説もありますが、これも違うと思います。むしろ総合診療医に求められるのはコモンディジーズをより深く診る能力だと私は考えます。

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