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医療機関で実施する検体検査の精度確保基準を概ね取りまとめ【厚労省検討会】

No.4899 (2018年03月17日発行) P.12

登録日: 2018-03-09

最終更新日: 2018-03-09

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厚生労働省の「検体検査の精度管理等に関する検討会」は9日、医療機関で実施する検体検査の精度確保の基準を概ね取りまとめた。同省は6月頃をメドに関係省令を公布し、12月にも施行する方針。

検体検査の精度管理を巡っては、昨年6月に改正された医療法により、医療機関が自ら実施する検体検査や、衛生検査所とブランチラボに業務委託される検体検査の精度確保の基準を設け、適切に管理することが法律上に位置づけられた。また、検体検査の分類や諸外国と同水準の遺伝子関連検査の品質・精度確保の必要性が指摘されていた。

取りまとめによると、検体検査の一次分類として新たに「遺伝子関連検査・染色体検査」「尿・糞便等一般検査」「免疫学検査」を設定する。病理検体を用いる遺伝子関連検査・染色体検査では、切り出す病変部の範囲の選択に医師の関与が必要となることから、留意事項を通知で示すとしている。

また、遺伝子関連検査・染色体検査を実施する場合は、相応の経験や資質がある責任者の配置を求める。検査全般の精度確保の責任者と兼任は認める。医療機関では、施設内の検査の精密度・再現度を管理する内部精度管理の実施や適切な研修の実施を義務づける。

■医療機関でも検査エラーや不具合の発生件数記載を

医療機関が実施する検体検査の精度管理については、「特段の構造設備は不要」と明記。多くの医療関係者や患者が往来する医療機関では、オープンスペースでの病原体検査の実施は好ましくないとした上で、実験室のバイオセーフティレベル(BSL)分類やその安全設備基準などを定めた国立感染症研究所の「病原体等安全管理規程」を参考にすべきとしている。

管理組織の基準としては、精度確保の責任者として、他の業務との兼任を認めつつ、医師または臨床検査技師を配置することを求めている。

また、ブランチラボや衛生検査所で作成が義務付けられている標準作業書や作業日誌のうち、「血清分離標準作業書」「検査機器保守管理標準作業書」「測定標準作業書」「試薬管理台帳」「検査機器保守管理標準作業日誌」「測定標準作業日誌」「統計学的精度管理台帳」「外部精度管理台帳」の作成を医療機関でも義務化。測定標準作業日誌には、検査項目(細菌顕微鏡検査、感染症免疫学的検査、血球算定検査など)ごとの実施件数や、検査エラー、不具合の発生件数の記載を求め、検体検査を実施した都度または週~月単位で記録することが適当だとしている。特定機能病院などでは、より高度な基準を満たすべきだとして、検討の必要性を明記した。

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