【質問者】鹿毛秀宣 東京大学大学院医学系研究科呼吸器内科学教授
【肺癌や間質性肺炎を代表とした肺疾患診断への普及が見込まれる】
クライオ生検とは,中空構造のクライオプローブに二酸化炭素を充満させ,凍らせたプローブ先端を気管支鏡下で組織に密着させ引きちぎる手法です。採取される組織の量は通常の鉗子生検に比べて大きく,かつ挫滅が少ないため病理診断や遺伝子解析に有用です。一方, 大きな組織を採取することによる出血や気胸などの合併症が増加するため, 適切な症例選択やバルーン止血などの合併症対策を講じておく必要性があります。
クライオ生検が考慮される対象は肺癌を中心とした中枢気道病変,末梢肺病変,びまん性肺疾患の患者となります。絶対的禁忌となる症例は少ないですが,一般的な経気管支肺生検が行えない症例に対しては難しいとされています。また, 抗血栓療法の中止ができない症例,コントロール不良な肺高血圧症のある症例に対しては,クライオ生検は原則施行しません。
残り1,129文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する