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特発性肺線維症の投薬タイミングと治療薬の使いわけ【肺活量が10%以上の経年減少を認めた症例には積極的に投与。潜在的膠原病(各種自己抗体陽性)を基礎疾患とするIPFにはピルフェニドンを推奨】

No.4902 (2018年04月07日発行) P.54

永田 真 (埼玉医科大学呼吸器内科教授)

高橋弘毅 (札幌医科大学呼吸器内科教授)

登録日: 2018-04-04

最終更新日: 2018-04-03

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  • 特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)での抗線維化薬開始のタイミングと,2つの治療薬の使いわけについて,札幌医科大学・高橋弘毅先生にお願いします。

    【質問者】

    永田 真 埼玉医科大学呼吸器内科教授


    【回答】

    IPFは国の指定難病No.85「特発性間質性肺炎」の中心的疾患です。IPF患者の難病登録時からの生存期間中央値は3.5年と短く,主な死因は,感冒・外科手術などを契機に急性発症する肺胞障害が特徴の「急性増悪」,徐々に進行する肺線維化の終末期としての「慢性呼吸不全」,5~10倍の発症リスクを持つ「肺癌の合併」です。このように性格を異にする複数の死因が関与するため,本疾患の治療・管理はとても複雑です。他のタイプの間質性肺炎と異なり,IPFはステロイド治療が基本的に無効です。ステロイドの標的細胞(リンパ球)浸潤が肺内にほとんどみられず,一方で特異的な間葉系細胞(筋線維芽細胞)が増殖・活性化されていることが治療抵抗性の主な理由です。

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